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東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センター

東北大学金属材料研究所の附属センターとして日本原子力研究開発機構(JAEA)の大洗研究開発センター内に位置しJAEAの材料試験炉(JMTR)や実験炉「常陽」等を利用した材料、核燃料の研究を進めている。30年以上の原子炉照射試験実績と多種の放射性核種の安全管理実績のもとに年間60−70件の研究課題を採択し、年間約3,000人・日の共同利用がある。


図2-1

アクチノイドの研究はアクチノイド実験棟(図2-1)と呼ばれる建屋を中心に行われている。アクチノイド実験棟ではアインスタインニウムまでの全てのアクチノイド核種を含む非密封358核種を取り扱うことができる。核燃料関連物質の年間予定使用量としては天然ウラン及びその化合物40 kg、劣化ウラン及びその化合物100 kg、トリウム及びその化合物40 kgの他プルトニウム500 mg、濃縮ウラン(20%以下)100 g などを取り扱うことが出来る。また、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムはそれぞれ年間予定使用量として766 g、7.85 g、0.0815 g取り扱うことが出来る。これらのアクチノイドは図2-2に示すホットセルや図2-3に示すグローブボックス内で取り扱われる。図2-4はアーク炉を用いたアクチノイド合金試料を作成している写真である。

図2-2 図2-3

これらの研究設備を利用して核燃料サイクル関連の研究を行っている。また、近年のトピックスとして、日本原子力研究開発機構との共同研究によりドハース・ファンアルフェン効果測定装置、核磁気共鳴測定装置(NMR)、磁化測定装置を導入して、アクチノイド化合物の重い電子状態、遍歴・局在性、異方的超伝導などの解明の研究を行っている。

 
図2-4 アーク炉による合金試料作成   図2-5 ドハース・ファンアルフェン効果測定装置